【ドライアイ】について

石川秀夫著:ドライアイは自分で治す 努力で治る

ドライアイという病名は既に広く認識されており、3000万人〜4000万人がその症状があると言われています。自覚症状で最も多いのが【パソコンで仕事すると目が疲れる】といういわゆる疲れ目です。【違和感】【異物感】【充血】【かすみ目】【乾燥感】【涙が溜まる感じ】【涙目】【目尻や目頭がかぶれる】等々症状は多彩で眼科ではいわゆる<不定愁訴>として片付けられる症状です。毎日多くの患者さんがこれらの自覚症で訪れますが「納得いく説明がない、良くならない」とクリニックを転々と替わる方が多いようです。又、パソコンを見る仕事は疲れ目になるのは当然の事と思って眼科受診さえしないのです。

ドライアイと疲れ目と瞬目不全について

目の充血、異物感、疲れ眼、乾燥感、パソコンを見ていると疲れる、などの症状で眼科を受診したら「ドライアイです、この薬で様子を見ましょう。」と気軽に言われた経験があるでしょう。確かにドライアイで失明することはほとんど無いので軽いたいしたことのない病気と思われます。しかしこのつらさは本人しか分かりません。しかもドライアイと診断された患者さんはほとんどが「点眼すると良くなるが目薬を止めるとすぐ同じようにひどくなる」と症状が改善しないことがつらいのです。

ドライアイのスタートは<まばたき>漢字で書くと<瞬目>がきちんとできていない、すなわち<瞬目不全>がすべての始まりなのです。

石川眼科医院YOUTUBE動画

ユーチューブの[hideoishikawa]のマイ動画ページに関連の動画をアップしています。ぜひご覧ください。

※注:瞬目不全の最もひどい状態が<兎眼>(ウサギは殆どまばたきをしないのだそうです)です、<顔面神経麻痺><ベル麻痺>に伴って起きます。ここに書いてある瞬目不全と兎眼とは違う病気です。

■瞬目不全とドライアイとの深い関係

何ヶ所かの眼科で<ドライアイ>と診断され目薬を使っていた患者さんが私のクリニックにセカンドオピニオンを求めてきました。「ドライアイといわれているが、涙目なのです。おかしいですよね」というのです。診ると確かに角膜に糜爛があり、いわゆる、<ドライアイ>の症状です。患者さんのつらいのは点眼薬を使っていれば症状は良くなるが点眼を止めるとすぐに元の症状が出るというのです。写真の様な<まばたき>なのです。(本人はきちんと閉じているつもりです。)

【瞬目不全】開いたとき - 中間点 - 閉じたとき ドライアイと診断された患者の目の動き

涙が目をカバーしなくなる、汚れた涙が溜まりっぱなし!

■まばたきの重要な働き

この様に瞬きがきちんとできないと涙が目の表面に均等に広がらず乾燥しやすくなり、そして汚れた涙が鼻の方へ押し出されないので涙はあふれて涙目になるのです。。汚れた涙が目の表面にとどまっているため結膜や角膜は刺激による炎症を起こします。これらの刺激症状がドライアイや疲れ目、アレルギー性結膜炎・マイボーム腺機能不全[15番21番]の出発点なのです。

【涙の重要な働き】

<涙道、涙腺><油層、水層、ムチン層>


ではなぜドライアイと診断するのでしょうか。

<まばたき>は字の通り、ほんの一瞬の動きです。スロービデオで再現しないときちんと目が閉じているか、閉じていないのか判断できないのです。スポーツのセーフ、アウトの瞬時の判定のようにスロービデオによる観察が必要なのです。

しかし、残念ながら瞬目運動をビデオ撮影し詳細に観察しても、健康保険では全く評価されないので、ビデオ撮影による検査を取り入れるクリニックは私のクリニック以外何処にもないのです。

眼科医は自覚症状と、角膜の細かい傷(乾燥性角膜糜爛)からドライアイと診断します。要するに<角膜が乾燥によって多少傷がついていますよ>という根拠が、<ドライアイ>の診断の決め手なのです。

■若い人にも多発

シルマーテストで『涙液減少症』と診断される涙の量が少なくなるのは、あくまでも『二次的な異常』または『二次的病変』であって、まばたきの悪さから引き起こされる様々な眼表面疾患の症状の一つなのです。

まばたきの弱さ、すなわち瞬目不全は眼輪筋の弱さです。眼輪筋の弱さは顔の筋肉全体の弱さの部分症です。(口呼吸口ごもり発声顎関節症等もその一つです。中高年以降は老化による衰えであり、 若年者は筋肉の発育不全です。)

昔から高齢者にはこの弱いまばたきのせいで涙目になる人が絶えません。これと同じ弱いまばたきが若い人(小学生の低学年にもです)にも多発しています。

■眼輪筋筋力の弱った証拠、重力に負けた下眼瞼

写真1と写真2を比べてください。写真1は普通の状態です。黒目と下眼瞼との間に白目が見えます(←)これが三白眼です。白目と下眼瞼との接触している部分が垂れ下がって隙間が空いています(→)。

写真2、指で頬を押し上げて眼輪筋の弱さをサポートした状態です。矢印で示した部分の隙間が無くなっています(→)、睫毛の生えている方向と下眼瞼の状態を比べてみてください。これが眼輪筋が健康で理想的に働いている目の状態です。

押し上げている指の力を抜くと写真1になり、押し上げた状態が写真2です。2から力を抜くと下瞼がどよん、と垂れ下がり、アカンベー状態になります、もう一度指で下眼瞼を押し上げると2になります。眼輪筋の筋力低下で下眼瞼が重力に負けて垂れ下がった状態です。この人は20歳前半の若々しい女性です。

重力に負けた下眼瞼の比較 重力に負けた下眼瞼の比較を動画で確認する

■点眼薬+顔の筋トレ。努力無しでは治らない!!

これが私が言うドライアイの治療は薬じゃないよ、いくら薬を付けても治らないよ「顔の筋トレフェイスストレッチング、毎日の努力無くしてドライアイは解消しないよ!」と繰り返し説明しています。

<目の生活習慣病・ドライアイ><ドライアイの治療>

点眼だけでは絶対良くなりません!ドライアイに目薬を点けているだけの治療は足腰が弱って転びやすくなった人に、すぐに車椅子を勧めるような物です。<転倒予防>

足腰が弱った患者さんには<足腰の筋トレ>すなわちリハビリが必要です。これが治療の基本ではないでしょうか?<フェイスストレッチング><顔の筋トレ>これが最も大事な治療の根幹です!

■自己診断をしてみましょう!

お手持ちのデジカメのムービーで眼をクローズアップで撮影し、スロー再生してみて下さい。
いかがですか?あなたの眼はきちんと閉じていますか?

【こちらの用語もご参考下さい】

<笑顔筋><表情筋トレーニング><眼輪筋筋力回復><眼輪筋鍛える><唇美人ダイエット><フェイササイズ>< フェイスエクササイズ>

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