飛蚊症とは

飛蚊症とはある日突然、目の前に蚊が飛んでいるように見える、あるいは小さなゴミが浮遊している、手で振り払おうとしてもそこにはなにもない、いったい何だろうと気になるが薄暗いところでは見えなくなる、明るい部屋、真っ白いトイレのタイルなどを見ると強く感じる。

これが飛蚊症の典型的な症状です。一番多い訴えがこの『蚊が飛んでいるようだ。』と言いますが、糸くず、髪の毛が垂れ下がった、顕微鏡で見るアメーバーの様なもの、虫が飛んでいる等いろいろな表現がありますがこれらをすべてひとまとめにして我々は飛蚊症と呼んでいます。

飛蚊症は眼球の内容物(硝子体)の加齢現象です。飛蚊症は40歳以上の60〜70%に発生します。近眼の人は10代にも起こります。飛蚊症を感じた人の20人に1人の割合で網膜に裂け目(網膜裂孔)ができていて、この裂け目を広がらないようにくい止める手術が必要になります。

40歳以上の60%と言うと飛蚊症を起こす方がむしろ多数派で、我々眼科の診療所には毎日毎日1人か2人の飛蚊症を訴える患者さんがやってきます、その中の20人に1人すなわち5%1ヶ月には必ず1人か2人手術が必要な人が見つかります。

早めに見つかると<レーザー治療>で痛い思いをしないで治りますが、放置すると網膜剥離になると入院手術が必要になります。

ネットで<飛蚊症>を調べると活性酸素の事や予防法などを解説したページが大量にあります。硝子体という生卵の白身のような物体が加齢で変化を起こした物体はどの様な治療をしても、元通りには戻りません、半熟卵の白身を元の生卵に戻せないのと同じです。しかしネットには『これこれのサプリメントで治る、何処の誰それさんはこのサプリメントで治りました。』と写真入りでまことしやかに書いています。

治ったと患者さんが感じるのはこの状態に慣れてくるからです、飛蚊症が始まった当初は大変気になり不自由を感じるが多くの人は数ヶ月でなれてしまいます、また慣れる以外に方法はないのです。

硝子体の液化【硝子膜剥離】【眼の構造】

上記の写真は我々眼科医が必ず検査に使う細隙灯顕微鏡の写真です。眼球の内部で硝子体がゆらゆらと揺れ動く様子がはっきり分かります。

この白いもやもやの影が網膜に写り、黒い浮遊物として見えるのです。眼底写真でみると、黒いかげが動いて見えます。

硝子体動画

連続写真で見ると、眼底を横切る影が見えます。

飛蚊症:眼底動画

裂孔 網膜剥離

20人に1人の割合で、運の悪い人はこの様な網膜の周辺部にかぎ裂き状の裂孔が見つかります。放置するとこの裂孔は周りから水を吸って、網膜剥離になります。

▲このページの先頭へ


QRコードで携帯サイトがご覧いただけます。ケータイにURLを送る >>

QRコードでスマホサイトがご覧いただけます。スマホにURLを送る >>

E-mail:
hideo.ishikawa66@gmail.com


site produced by Yuntaku.com